家・マンションを「売る」or「貸す」はどちらがよりお得かを検証

家は大きな資産なので、家を売ろうと考えたとき「売るより貸したら儲かるかも?」と考える人が多いと思います。確かに、家を貸すと家賃収入が見込めます。

私も独身時代に購入したマンションを、結婚した時に「売る」べきか「貸す」べきかでとても悩みました。「もし高い金額で売れるなら、次の新居の頭金にできるかな?でも、家賃収入があれば毎月の生活が楽になるかも!」と思っていました。

でも、家を貸すにもやはりリスクがあるものです。今回は「売る」と「貸す」は果たしてどちらがお得なのか、これまで調べた情報と私の意見を書きたいと思います。

家を「売る」or「貸す」で悩んでいるときに注意すること

家を売るべきか貸すべきかで悩んでいるなら、まずその家が売れるのかを確認してください。家に住宅ローンが残っていて、売却しても住宅ローンが完済できなさそうであれば、売るのを辞めた方がいい場合もあります。

また、家を貸すということは大家になるということですから、今の生活にプラスして賃貸経営ができるかどうかを考える必要があります。不動産業者に委託する場合でも、もちろん費用などの負担が掛かってきます。

その2点を考えてみて、売るか貸すかの選択の余地があるならば、次を読み進め、ぜひ参考にしてください。

大きな金額か、毎月の収入か。どんな収入を得たいかイメージする

家やマンションを売るか貸すかで悩んでいるときは、まず売ること、もしくは貸すことで自分にどんな収入があり、どちらの収入を優先すべきかを考えてみます。

一度にまとまった収入を得たいなら「売る」

家やマンションを売ることで、大きな金額が収入として入ります。住宅ローンの残債がある場合なら、その金額で一括返済がしやすくなります。住宅ローンの残債よりも売却金額が多い場合はそのまま返済すればいいだけです。住宅ローンの残債より少ない場合、手持ちの資金から補填することになります。

継続的な収入がほしいなら「貸す」

家やマンションを貸した場合、もし入居者が見つかれば、家賃が不労所得として入ってきます。

住宅ローン返済中の家は売れる? 貸せる?

家やマンションを購入する場合、ほとんどの人が銀行などから住宅ローンを借りていると思います。住宅ローンは何十年かけて返済していく大きな借金です。住み替えなどで家を売るか貸すかで悩んでいる人の多くが、住宅ローンを返済中ではないでしょうか。

ここでは住宅ローン返済中の家・マンションについて、それが売れるのか、はたまた貸せるのかについてまとめました。

住宅ローン返済中の家を売る場合

住宅ローンを支払い中でも、家を売ることはできます。しかしそのためには、住宅ローンを完済し、売る家の「抵当権」を抹消する必要があります。

詳しくは「住宅ローン残債のある家・マンションを損せず売却するために」を参照してください。

住宅ローン返済中の家を貸す場合

住宅ローン返済中の家を貸す場合、まず住宅ローンを借りている銀行の承認が必要です。銀行は借主である名義人が家に住むことを前提として、住宅ローンを融資しているからです。

銀行が住宅ローン返済中の家の賃貸を認める例としては、海外もしくは、国内で通勤が難しい距離への「転勤」です。特に数年以内に戻るというような予定が決まっている場合は、その間に家を貸せる可能性も高くなります。

銀行によっては、転勤が証明できる書類(辞令や在職証明など)や、転勤先の住民票などが必要になります。

銀行に内緒で家を貸した場合、それがバレると契約が違うとして住宅ローン残債の一括返済を求められることがあります。家を貸したい場合、まず銀行に相談しましょう。

仕事と賃貸経営を両立できる?

普段は会社員や自営業などをしながら、副業として賃貸経営をしている人も多くいます。これから賃貸経営とは何をすればいいのか…について書いていきますので、自身の本業と両立できるかを検討してください。

賃貸経営にはどんな作業があるのか

主に「住む人の募集」、「家賃の集金」、「建物の維持管理」があります。特に「建物の維持管理」に関しては、入居前や退去後のハウスクリーニングなどは必須です。設備のメンテナンス、補修や交換なども含まれます。これができていないと、借り手が見つからなかったり、入居後に借主からクレームが来る可能性もあります。お金も手間も掛かります。

賃貸経営は不動産管理会社の力を借りよう

一般には、不動産管理会社に賃貸物件の管理を委託する場合が多いです。管理を委託する場合は当然こちらから管理費用を支払うことになりますが、入居者からの家賃回収や退去後の清掃、リフォーム、入居者からの問い合わせ、クレーム対応などの業務を請け負ってくれます。費用は月額、家賃の5%程度というところが多いです。

家を売るとき・貸すときの出費や税金について知っておく

家を売るときには、売却した額の現金収入が期待できますし、家を貸す場合には家賃収入が入ってきます。しかし、家を売る場合も貸す場合も、それ相応の出費や払わなければいけない税金が課せられます。

ここでは家を売る場合と貸す場合のそれぞれの出費と税金についてまとめました。家を売る際に課せられる税金に関しては「家・マンション売却時の税金の仕組みを知って税金の払い過ぎを防ぐ」を参照してください。

家を売る 出費 不動産仲介手数料 不動産の売買や賃貸の際に仲介してくれた不動産業者に支払うお金
抵当権抹消費用 不動産の抵当権抹消登記手続き司法書士に依頼した場合にかかる費用
住宅ローンの返済 住宅ローンの残債がある場合はその金額を一括返済
事務手数料 住宅ローンを繰り上げ返済する際の手数料
税金 印紙税 売買契約書に貼る収入印紙の代金
登録免許税 不動産1物件につき1000円(建物+土地の場合は不動産が2物件なので2000円)
譲渡益課税(所得税・住民税) 購入したときよりも不動産が高く売れた場合に課せられる税金
家を貸す 出費 不動産仲介手数料 不動産の売買や賃貸の際に仲介してくれた不動産業者に支払うお金
初期費用 物件のクリーニング代や壁紙の張替え、畳やふすまの張替えにかかる費用
管理費用 不動産管理会社に物件の管理を委託した場合、賃料の5%~10%を不動産管理会社へ支払う(貸し主自らが管理する場合も費用がかかる)
税金 所得税 不動産賃貸で得た所得にかかる税金

家を「売る」or「貸す」のメリットとデメリット

費用や出費を考えても、まだ決めかねている…という人のために、さらに踏み込んで、家やマンションを売る場合と貸す場合のメリットとデメリットをお伝えします。

特にデメリットに関して、「売る」と「貸す」では大きな違いが出てきます。

家を売る場合

メリット1 :売却代金が得られる

家に買い手が付き売買契約を結ぶことができれば、売却代金という大きなお金を手にすることができます。住宅ローンの返済や、家を買い替える場合の資金としても活用できます。

メリット2 :不動産の維持に必要な経費がなくなる

マンションであれば修繕積立金や管理費が定期的に徴収され、一戸建てであれば畳の張替えや屋根の修繕、水回りの交換・改装など、住んでいるうちに劣化した部分は修繕する必要があります。売却をすると、もちろんこれら維持に必要な経費がいらなくなります。

デメリット1:家という資産がなくなる

家を売却するので、もちろん所有していた不動産という資産がなくなります。愛着のある家がなくなるので、寂しい気持ちになることもあります。

家を貸す場合

メリット1: 定期的な収入が入る

家を賃貸物件として他人に貸すことで、毎月決まった額の家賃が入ってきます。礼金などを設定している場合には、借主が入居する度に不動産業者と折半した金額が入ってくることもあります。

メリット2: 金利や固定資産税が経費として認められる

家を貸すので「事業」の一つに認められ、固定資産税などは経費になります。また、貸し出し物件の住宅ローンを返済中であれば、その住宅ローンの金利分も経費として計上できます。

デメリット1: 初期費用がかかる

家を他人に貸す場合、家が汚れていたり、故障している箇所がある場合は借り手がつきません。必要に応じて部屋の壁紙やふすま、畳の張替え、ハウスクリーニングをしないといけません。これには数10万円程度の費用がかかりますし、場合によっては100万円単位の費用がかかることもあります。

デメリット2: 空室のリスクがある

家の借り手が見つからない場合は、家賃収入がゼロになります。一度入居者が決まっても、その入居者が別の家に引越した場合、次の入居者が見つからなければ、その間の家賃収入はゼロになります。また、もし住宅ローンを返済しているなら住宅ローン返済分の出費で赤字になってしまいます。

デメリット3: 入居者のトラブルへ対応が必要

入居者からの「トイレの水が詰まった」「給湯器が故障した」など、トラブルに対して随時対応が必要です。不動産管理会社に業務を委託した場合、代わりに請け負ってもらえますが、家賃の5%程度の管理費を支払う必要があります。

デメリット4:二重ローンの許可が下りない可能性がある

賃貸で貸す家が住宅ローンを支払い中で、さらに引っ越して新たに家を購入すれば、住宅ローンを二重に組まないといけません。でも二重ローンは、銀行がOKをしない可能性が高く、結果的に二重ローンが組めないことが多いです。

状況別 こんな時は家を売る?or貸す? どっちがお得?

家やマンションを売りたい人と貸したい人には、それぞれ生活環境や経済状況の違いがあるはずです。出費や税金、メリットとデメリットに加え、肝心なのは「どちらが金銭的に得なのか?」を判断することです。

ここからは今空き家がある場合と転勤する場合を例にして、売ることと貸すことのどちらが得なのかをシミュレーションしてみます。

今空き家がある場合は売る?or貸す?

例えば両親の持ち家(実家)の場合でも、高齢になったため実家ではなく自分の家に同居することになったり、亡くなったので相続するなど、実家が空き家になるというケースは少なくありません。

ここでは、空き家になった実家は売るのか貸すのか、どちらの方が得なのかを考えていきます。また、空き家になった家をどうすればいいのかは【空き家の固定資産税が6倍になる?いつまでに何をすべきか私の増税対策】も参照してください、

まずは売る場合と貸す場合の価格相場を調べる

自分の家やマンションを売る場合、どれくらいの価格で売れるのか、どのくらいの金額で賃貸されているのか相場を確認します。売却価格に関しての調べ方は「家の価格相場が誰でも今スグ調べられる方法で家の高額売却を目指す」を参照してください。

賃貸価格も売却価格と同じ方法で調べることができます。その場合、売買サイトではなく賃貸サイトをチェックしてください。

査定をしてもらい売る場合と貸す場合の価格を知る

自分の家の売却価格と、家賃の相場がつかめたところで、不動産業者に査定の依頼をしてみましょう。査定に関しては、複数の業者に依頼し金額を比較するのがコツです。その際、賃貸も検討していることを不動産業者に告げると、賃貸の場合の賃料なども査定して算出してくれます。

査定に関することや、不動産業者の選び方に関しては【家の査定で損をしないために!不動産売却査定の価格決定ポイント】や、【家&マンションを高値で売却する不動産会社の選び方と失敗談】を参照してください。

空き家は売るべきか、貸すべきか

「将来住むかどうかわからないけど、せっかくの不動産だからとっておきたい…」というのであれば、売却をおすすめします。また、査定額の低い物件の場合、魅力の少ない物件ということなので、借り手が現れるかどうかに不安が残ります。

一戸建ては借り手が少ない

日本では一戸建てに関しては新築が好まれる傾向があります。そのため、一戸建てとマンションを比較した場合、賃貸物件として市場に出ているのはマンションの方が圧倒的に多いです。持ち家が一戸建ての場合は、売る方をメインに考えておく方が安全と言えます。

転勤して今の家に住めなくなったときは売るべき? 貸すべき?

「せっかく家を買ったのに転勤の辞令が出て…」という人も珍しくありません。先ほどお伝えしましたが、住宅ローンが残っている場合、家を貸すためには金融機関の承認を得る必要があります。

転勤の期間と今の家にもう一度住むかが重要

転勤の間だけ家を貸したいと考えたときには「転勤の期間」と「帰ってきたとき、同じ家に必ず住むか」を考慮しないといけません。まずどれくらいの期間の転勤になるのかを確認しましょう。

また、別の土地へ再び転勤するかの可能性も考えなくてはいけません。さらに戻ってこられた場合も、必ず今の家に住むかどうかも考える必要があります。

銀行への相談と届け出が必要

住宅ローンを払っている家であれば、売る場合は売却価格で住宅ローンの残債を返すことができるかの確認が必要です。賃貸にする場合、銀行の承認が下りないと貸し出すことができませんので、事前に銀行への相談を行い、それから判断しても遅くありません。

住宅ローン控除にも注意

住宅ローンを借りている人の多くが、住宅ローン控除を受けていると思います。住宅ローンの名義人が国内に単身赴任するのであれば、住宅ローン控除を継続して受けることができます。

しかし、家族全員で転勤先に引っ越してしまう場合は、控除の適用除外となります。ただし、赴任して家を空けていた期間のみ控除がなくなるため、たとえば10年控除の場合、この期間中に3年間、家族全員で赴任した場合は7年間の適用ができるということです。

もちろんこれには条件があり、転勤が終わったら家に戻り家族と住むこと、もしくは住む見込みがあることが前提になります。

まとめ

家を売る場合と貸す場合はどちらが得か…について、それぞれのメリット・デメリット、判断する場合の注意点を書きました。

一戸建ての場合、マンションに比べ借り手が少ないことと、日本人は新築物件好きのため、築浅や駅近の場合を除き、一戸建ての賃貸はかなりハードルが高いと言えます。

また、住宅ローンが残っている家を賃貸物件にするためには、銀行への相談や届け出が必要ですし、その許可は特別な理由がない限り承認が難しいと言えます。

私の場合、マンションがファミリー向けではなかったこと、築年数が結構いっていたこと、賃貸物件とするには難しそうだったことを踏まえ、「やはり賃貸は厳しいな」と判断し、売ることにしました。

家はほかに同じものがない、独自性の強い商品です。売る方が良いのか、貸す方が良いのかの判断は、最終的にはそこに住んでいる人が、自分の環境や経済状況によって判断するしかありません。将来的に後悔しないよう、その判断はしっかりと行ってください。

プロフィール

こんにちは。
東京で独身時代を過ごし、現在は結婚して関西でマンションを購入。趣味は食べ歩きとマンガを読むことです。
※ちなみに、イラストの後ろはマンガで、決して札束ではありませんよ(^^)。
20代のとき、マンションを購入&売却しましたが、買うのはいいけど売るときは失敗だらけ…。意外と周りにも同じ失敗や体験をしている人が多かったのです。そこで、高く売るためのサイトを作ろうと一念発起!
素人ながらに調べた知識をみんなで共有できたらと頑張っています。

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「家売るオンナ」サンチー不動産同盟