家やマンションの売却前のリフォームはした方が高く売れる?その真偽と線引きを見極める

築年数が20年以上などになると値下げ交渉ばかりでなかなか思う金額で売れないことも多く、リフォームを検討することもあると思います。

古びた洗面台やお風呂、キッチンに換気扇と考えると、トータル100万円などすぐにいってしまいます。そのリフォーム代金を上乗せした金額に変更し、改めて売りに出して、はたして採算がとれるのか。

実際に売れた金額は、最初に売りに出して金額よりもさらに50万円ほど下回ってしまって、結局は150万円も損してしまったというような話は少なくありません。

これは多くの人が迷うところのようで、こんな過ちを犯さないためにここで詳しく落とし穴を伝えます。

リフォームしてからの方が高く売れるのは本当か?

築年数の古い家やマンションの場合、リフォームしたら高く売れるというのは、よく耳にします。しかし、多くの不動産業者はリフォームを勧めません。その理由を説明していきます。

費用をかけた分だけ高く売れる…わけではない

きれいで新しい方が高く売れるという、その考えは間違いではありません。しかし、築年数の古い家・マンションを購入しようとしている人の多くは、なるべく安く買い、自分好みのリフォームやリノベーションに費用をかけたいと考えています。

例えばリフォームに100万円もかけ、その金額を上乗せして売り出したとしても、売れる保証はありません。リフォーム金額は実質まるまる赤字になるという場合がほとんどです。

リフォームしてから売るメリットとデメリット

「売る」ためだけにリフォームをすることの、メリットとデメリットを比べてみます。

【メリット】
・古びた状態がきれいになるので、成約率が高くなる
・買主にリフォームの手間がなくなり、すぐ生活が始められる
・リフォーム済みと広告で打ち出せる
【デメリット】
・リフォーム費用がそのまま価格に反映はできない
・リフォームが好みに合わなければ購入対象から外れる
・自分でリフォームしたい人には全く意味がない
・築年数が古い場合は現状引き渡しを希望している人が多い

リフォームに悩んだら自分だけで判断せず、まずは不動産会社の担当者に相談してください。数多くの売却物件を手掛けた経験からアドバイスもしてくれます。

リフォームと修繕は違います。修繕は絶対に必要です

家を売りに出すとき「どうせリフォームするだろうから」と、壊れたものをそのままにしてはいけません。リフォームとは、古くなった設備や内装をきれいにすることで、老朽化したものを新しくするイメージです。なので、まだ使える状態です。

一方、修繕は壊れたり悪くなった部分を直すことです。普通に考えても、たとえ後でリフォームするとしても、壊れているものを買いたいという人はいません。きっちりと修理をし、使える状態にしてください。修繕費用より値下げを要求された金額の方が高く、結果買い叩かれたということも多いです。

どんな家にリフォームが必要か?

見栄えが悪いから…という理由ではなく、耐震基準が変更するなど国の基準が変更になったことで、リフォームが必要な場合もあります。

家やマンションの建築年数をチェック

売りたい家やマンションの築年数を確認してください。下記に当てはまる場合は注意が必要です。

1981年よりも前:1981年6月に耐震基準に大きな見直しあり
1999年よりも前:断熱の基準となる省エネ性能に関し変更があり、断熱基準に合っていない
2003年よりも前:新築物件に24時間換気システムの設置が義務付け。24時間換気システムがない。

条件に合ってしまった場合、売主には買主に報告する義務が発生します。マンションの場合は、その基準に見合っているかいないかは施工記録などを見るとすぐに判明します。しかし一戸建ての場合、壁に隠れた部分でれば見るだけではわかりません。

リフォームしておいたほうが良いのか、それともその分だけ価格を引き下げた方がいいのかは、物件により異なりますので、担当の不動産業者に相談してください。

内緒にして売り、後から発覚した場合、売主には「瑕疵(かし)担保責任」があるので、費用を請求されることになります。詳しくは【不動産の瑕疵担保責任とは|売る前に知っておくべきリスク範囲と期間】を参照してください。

設備の耐久年数で必要かを判断する

家の価値は10年でゼロになると言われます。しかしもちろん、価値がゼロになるからと言って、住めないわけではありません。下記の表は、一般的な設備の耐久年数であり、中古物件のリフォームの目安になります。

クロスなどのリフォームが必要になってくるのは10年目からですし、キッチンやトイレなど水回りも15年程度は普通に使用していれば問題ないということです。

破れたり壊れたりということがなければ、築15年目以内の物件ならリフォームは特にしなくても良いと判断できます。
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売るための手段としてのリフォーム

先ほども伝えましたが、リフォームの代金を売り出し金額に上乗せしても、それで売れるとは限りません。しかし、リフォームをした物件は「リフォーム済み」と広告に銘打ち、リフォームを集客する手段として使えます。

築年別のリフォーム予算をチェック

まずは、一般的な設備を使用している一戸建てとマンションで、リフォームをした場合の目安を表にしました。この費用をかけても、高く売れるのか…ということを良く考え、リフォームをするかどうかを検討してください。

築年別・リフォームの予算とその内容

築年数 マンション
(専有面積70平米・6畳和室あり)
一戸建て
(建物面積100平方メートル)
10年 約3万円
・畳の表替え 3万円
約3万円
・畳の表替え 3万円
15年 約135万円
築10年の費用3万円に加え…
・クロス交換 42万円
・給湯器の交換 15万円
・洗面台交換 10万円
・ユニットバス交換 65万円
約253万円
築10年の費用3万円に加え…
・クロス交換 50万円
・給湯器の交換 20万円
・洗面台交換 10万円
・バスタブの交換 80万円
・外壁塗装 75万円
・屋根の補修 15万円
20年 約250万円
築15年の費用135万円に加え…
・キッチン交換 60万円
・トイレ本体の交換 10万円
・フローリング工事 45万円
約358万円
築15年の費用253万円に加え
・キッチン交換 60万円
・トイレ本体の交換 10万円
・フローリング工事 35万円
25年 約250万円
築20年の費用と同様
約538万円
築20年の費用358万円に加え…
・柱の補修・点検工事 180万円(耐震用補修工事)

※あくまでもモデルケースです。家やマンションの状況や大きさにより変動します。

リフォームには、かなりの金額がかかるとわかります。こんなに費用はかけられない、けれど何かしたいと希望する場合の方法をお伝えします。

水回りのリフォームはかなり有効

女性は水回りに敏感です。洗面台に水漏れはしない程度ですがひびが入っていたり、トイレの黒ずみが落ちないなどの場合は、リフォームをすると印象がアップします。ただしこの場合も、パーツの交換程度にしておく方が良いです。

金額は洗面台の交換10万円と、温水便座への交換5万円なので、トータル15万円ぐらいと想定できます。

リフォームではなく、ハウスクリーニングという選択も

リフォームするほどでもないけれど、自分で掃除するだけでは何となくきれいにならない…という場合、ハウスクリーニングをお願いするという方法もあります。

業者により料金はさまざまですが、一般的にキッチン(換気扇掃除のぞく)と洗面台、トイレのクリーニングをお願いして、約3~5万円程度です。室内すべてをクリーニングしてもらう場合、マンションなら10万円前後、一戸建てなら12万円前後です。

ただし、業者により価格にかなりの開きがあるので、「ハウスクリーニング+自分のエリア」で検索し、料金も比較しながら検討してください。リフォームをするより格段に価格を抑えることができます。

リフォーム代金○○万円負担します!も効果的

築年数が古く、リフォームをしなければ買主が見つからないけれど、どこをどうリフォームすればいいのか悩んでしまうという場合は、「リフォーム代金を○○万円負担します!」と広告するのも効果的です。

例えば1500万円の売り出し価格に対し、200万円までリフォームとして費用を出せるとします。その場合、物件の売り出し価格を1700万円にして、リフォーム費用として200万円を負担しますと広告するのです。

リフォーム済みとするより、買主が自分の好みでできるお得感も出せますし、もしリフォームが必要ないと言われたなら、200万円を値引きしてあげれば良いです。売主と買主、どちらにもメリットがあると言えます。

「大切に使っていました」という姿勢が大事

築年数の古い家は、築浅の物件より売れにくいのは事実です。しかし、古民家や町家のように、ずっと大切に使っていた雰囲気が漂う家には、新しいものには感じられない魅力があるものです。

リフォームをすることを考えるより、まずはきっちりと隅々まで掃除ができているか確認してください。一戸建てであれば、柱や敷居、鴨居や床の間などもワックスやサンドペーパーかけをして、木の温もりが伝わるようにしてください。

不用なものはこれを機会に処分し、すっきりとした空間を演出します。内覧者が訪れたとき、「この家は大切にされているから、買っても安心」と思ってもらえることが大切です。

まとめ

はっきり言ってしまうと、リフォームはかけた費用のわりに効果が少ないと思って間違いありません。リフォームをして物件の価値を上げようとするより、リフォーム費用分を値引きや値下げする方が、買いたいと希望する人には喜ばれます。

ただし、耐震構造上の問題がある場合や、5年以内など築年数が浅いわりに、ペットのせいで壁紙がビリビリになっているなど、経年による劣化以上の状態ならば、壁紙の貼り換えなどの簡単なリフォームは行った方が良いです。

まずは自分できれいに掃除をし、それでも微妙であればまずはハウスクリーニングを行ってみてください。リフォームを検討するのは、それからでも遅くありません。そして、リフォームをする場合は必ず不動産業者の担当者に相談してからにしてください。

プロフィール

こんにちは。
東京で独身時代を過ごし、現在は結婚して関西でマンションを購入。趣味は食べ歩きとマンガを読むことです。
※ちなみに、イラストの後ろはマンガで、決して札束ではありませんよ(^^)。
20代のとき、マンションを購入&売却しましたが、買うのはいいけど売るときは失敗だらけ…。意外と周りにも同じ失敗や体験をしている人が多かったのです。そこで、高く売るためのサイトを作ろうと一念発起!
素人ながらに調べた知識をみんなで共有できたらと頑張っています。

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