不動産(土地や建物)の個人売買は可能?|私にもできる売却方法と注意点

友人とランチをしていたら、旦那さんの転勤で家を売りに出そうと思っている友人A子さんと、子供が生まれ家を買おうとしていた友人M子さんの話がトントン拍子に進み、M子さんがA子さんの家を買うことになりました。

余計な出費を減らすために不動作業者を使わず、自分たちでやり取りをするということになったのですが、銀行の融資が通らなかったり、書類の作成に四苦八苦したりと険悪なムードになってしまいました。そもそも、個人で不動産取引ってできるの?というところから、大変さ、注意点などをお話しします。

不動産業者を介さず、自分で売ることはできます

法律的な問題はありません

不動産関係でよく聞く宅建士(宅地建物取引士)など、資格を持っていなくても個人間で不動産を売買することは可能です。ただし、個人で不動産を売ることができるのは1年に1つと宅地建物取引業法で定められています。不動産業者の仲介で売った場合は問題ありませんが、1年以内に同じような個人売買をしているならできない可能性があります。

個人売買の流れ

不動産業者を通さず個人で売るからには、すべてを自分で行う必要があります。順を追って説明します。

自分の不動産の価値を確認し、価格を付ける

自分の不動産の価値をきちんと知らなければ、適正な価格で売りに出すことができません。また、親戚などに売却する場合も、相場よりあまりにも安く売ってしまうと贈与とみなされ、後から贈与税を支払わなくてはならないこともあります。

価格の付け方に関しては、【家の価格相場が誰でもスグに調べられる方法で家の高額売却を目指す】記事や、【家の査定で損をしないために!不動産売却査定の価格決定ポイント】の記事を参照してください。

買主を見つけるには

売りに出すからには、もちろん買ってくれる人を見つけなければなりません。買主を見つけるには2つの方法があります。

親や親族、近所の人に声を掛けてみる

「隣の土地は借金しても買え!」ということわざもあるように、近くで家や土地を探している人は意外に多いものです。家を売りたいと思ったら、A子さんのように、近所の集まりなどの時にサラリと話してみるのも良いでしょう。

実際、M子さんが名乗りを挙げましたし、多くの不動産業者も買い手を探す際には、近隣の住民に声を掛けています。

自分で広告を出す

インターネットの不動産情報紹介サイトやポスティングチラシなど、自分で販売活動のための広告を出し、いろんな人に幅広く知ってもらう必要があります。

一般的には不動産の情報検索サイトへの広告出稿料金は1つに付き月1万円程度で契約でき、メールや電話などの問い合わせが発生した場合はその都度課金されます。

また、新聞などへの折り込みチラシは部数により差が出ますが、平均的な部数・2万部で計算すると、デザイン料に3万円~10万円、折り込み広告料は1回につき5万円~10万円かかります。

さらに、折り込み広告を追加でポスティングするとなると5万円程度の金額が発生し、すべて行った場合は広告費として14万円~26万円も掛かってしまいます。「ホームライブラリ」など無料で登録できる不動産の情報サイトもありますが、成約後に報酬として料金の支払いが発生しますので、こちらも注意が必要です。

電柱への勝手な貼り紙は法律違反になります

電柱などによくある貼り紙ですが、電柱は電力会社や電話会社、ガードレールは自治体の管轄になるので、許可を取らずに勝手に貼り紙をする行為は器物破損罪として、最高100万円の罰金が発生する場合もあります。電柱に巻き付けてある立て看板も同様です。貼り紙をしたい場合は許可を取るか、自分の所有する土地や建物内で行ってください。

問い合わせへの対応をする

購入を検討している人からの問い合わせや、内覧や現地確認の希望者の対応やスケジュール管理を行います。この時、専門的な知識が必要な質問をされる場合もあるので、基本的な質問に関しては準備をしておく方が良いでしょう。

いくつか例に挙げておくのでスムーズに答えられるようにしておいてください。

基本的な質問の例
「なぜ、不動産会社を使わないのですか?」
「いくらまで値下げしてもらえますか?」
「購入後のトラブルが発覚したら責任とってもらえますか?」
「建て替える場合、何か規制はありますか?」
「この土地は以前、何に使用されていましたか?」
「この街の住み心地はどうですか?」

契約書や必要な書類を用意する

不動産の個人取引のトラブルとしてよく聞くのが、後々の書類の不備です。権利書を渡すだけだよね…なんて簡単に考えていると、後から大きな問題に発展することもあります。ここでは最低限、揃えておいてほしい書類と、その書類を作成するための必要な事柄をまとめました。

売主が揃える必要最低限の書類

売買契約書
権利証(登記済証)
印鑑証明書(発行から3カ月以内のもの)
登記簿謄本
固定資産税評価額証明書
収入印紙(売買契約書の、買主用書類に貼付する分)
領収書+印紙
印鑑(認め可)
各書類の詳しい説明に関しては【家・マンションを売る時の査定から引き渡しまでを知る】記事内、【家・マンションを売る時に必要な書類】の項を参照してください。

書類作成のために調べた方が良いこと

売買契約書の作成と、買い手がローンを組む場合は重要事項説明書を作成する場合があるので、下記の場所に出向いての書類の取り寄せや物件の調査が必要です。

【法務局】
全部事項証明書
登記簿謄本(土地・建物)
地積測量図(土地・一戸建ての場合)
建物平面図(無い場合は間取りソフトなどで作成できます)
【市役所】
評価証明(土地・建物) ※調べる際には印鑑と身分証明書が必要です。
用途地域
各種制限(斜線制限 外壁後退距離 最低敷地面積)
地区計画
都市計画(道路 公園、計画決定年月日、計画内容、事業決定の時期)
下水道配管(全面道路内口径、引込管口径、私設管 越境の有無)
道路(道路番号、認定年月日、幅員)
【水道局】
上水道(全面道路内口径、引込管、メーター口径、私設管、越境の有無)

書類作成での注意点

インターネットなどで売買契約書などのサンプルをダウンロードすることができますが、決まった書式などがないため、必ず記入しておいた方が良いポイントをお知らせします。

  • 売買価格や中間金、手付金は価格と受領日を明記。
  • 引き渡し日も明確に記載。
  • 固定資産税の振り分けを記載。
  • 特例事項。
  • 売買契約書の印紙の貼り忘れに注意。
固定資産税の振り分けはなぜ必要?

固定資産税の納税義務者は、毎年1月1日の時点で、その不動産の所有者であると登記に記されている人になります。つまり、年度の途中で不動産を売却したとしても、納付書が自分に届いてしまうのです。

でも、もう自分の持ち物ではないのに固定資産税を払うのは腑に落ちないですよね。そこで、固定資産税を日割り計算にして、公平に負担するように決めておく必要があります。

売った後のトラブルに対処する責任がある

不動産を売買した場合、売主には買主が瑕疵(かし)を見つけてから1年間の「瑕疵(かし)担保責任」があります。不具合が起こった場合、きちんと直しますよという約束が法律で決められているのです。

「瑕疵担保責任」に関しての詳しい内容は、【不動産の瑕疵担保責任とは|売る前に知っておくべきリスク範囲と期間】を参照してください。

専門家の力を借りないと売れないケースも

先ほど少し触れましたが、個人売買で買主が住宅ローンを組みたい場合は注意が必要です。銀行などの金融機関は住宅ローン審査の際、売買契約書と「重要事項取引説明書」という書類を参考にしています。

この重要事項取引説明書に関しては、宅建士の資格保有者が作成したものでないと受理されない可能性が高いのです。厳しい金融機関の場合、売買契約書も宅建士の作成したもの以外は却下されます。

ただし、銀行によっては司法書士や不動産鑑定士、弁護士を交えての不動産調査や報告書を作成して提出すれば代わりになる場合もあるので、金融機関に確認してください。

書類の作成だけ、専門家の手を借りる方法も

もう買主が決まっているので、仲介手数料を節約したいという方は多いです。しかし、不動産取引には専門知識がかなり必要なことと、実は書類に不備があっても提出した自治体が修正してくれることはありません。

不備の書類として受理してしまい、のちのち実は売買契約が成立していなかったなんてトラブルが起こってしまいます。「不動産 個人売買 サポート」でインターネット検索すると、個人売買の書類作成を代行してくれる業者や弁護士事務所が数多くヒットします。

一般的には3万円程度から、お願いしたい内容によって料金は変動します。しかし、仲介手数料よりもずっと安い価格で、間違いのない書類を作成してくれますので、より安全で安心と言えます。

引き渡しの前までにすることは?

ここまで進めば、あとは引き渡すだけ…と思ったら大間違いです。引き渡しの前にもうひと仕事ありますので、最後まで気を抜かずにいきましょう。

売買契約を結ぶ

一般的には、契約日と決済日(お金が振り込まれる日)は別に設定します。まずは売買契約書をお互いに確認して契約を結び、決済日を設定します。

決済日までに、相手に渡す書類のコピーをし、保存できるようにしておいた方が良いでしょう。引き渡しまでの詳しい内容に関しては、【家・マンションを売るときの査定から引き渡しまでの手順を知る】の記事内、【買主との売買契約から不動産の引き渡し】の項を参照してください。

契約日や決済日は、金融機関で行うべし

自分の書類は完璧でも、登記の変更などは買主側で行っています。相手の書類に不備があるかもしれません。それに気づかず契約をしてしまうと、後々トラブルになってしまいます。できれば書類の不備を確認してもらえる司法書士の立ち会いのもと行うのが安心です。

司法書士は銀行に所属しているか、相談すれば紹介してもらえます。この場合の司法書士への報酬は0円から2万円程度ですので、問い合わせてみましょう。また、不動産の代金は高額になることが多いので、金融機関で行えば安全です。

まとめ

例えば3000万円の家を売買したら、仲介手数料は売主と買主の分を合わせると207万円です。確かに高額なので、節約したい気持ちはわかります。しかし、私の友人のA子さんとM子さんは仲が良かったために小さな不満や疑問を言い出せず、かなりギクシャクしてしまうことなりました。

まず、家の価格でケンカが起きたので、インターネットでの査定を勧め、第三者目線での金額をお互いにわかるようにしました。
それから、書類の作成で音を上げていたA子さんに、書類作成だけは専門家に任せるように伝えました。実は登記などの書類にもし不備があっても、提出した自治体が修正してくれることはなく、のちのち実は売買契約がきちんと成立していなかったトラブルも多いです。「不動産 個人売買 サポート」でインターネット検索すると、個人売買の書類作成を代行してくれる業者や弁護士事務所が数多くヒットしますので、参考にしてください。

結局、書類の作成と引き渡しの立ち合いの他、家の瑕疵(かし)がないかの調査を専門家に依頼するなどで掛かった費用は20万円でした。各家庭の負担は10万円と、印紙代などのそれぞれの立場で掛かる実費で済み、なんと約10分の1まで節約できました。費用の節約は大切ですが、知識のない部分は専門家にお任せしてするなどした方が、お互いに不安もなくスムーズに取引できますよ。

プロフィール

こんにちは。
東京で独身時代を過ごし、現在は結婚して関西でマンションを購入。趣味は食べ歩きとマンガを読むことです。
※ちなみに、イラストの後ろはマンガで、決して札束ではありませんよ(^^)。
20代のとき、マンションを購入&売却しましたが、買うのはいいけど売るときは失敗だらけ…。意外と周りにも同じ失敗や体験をしている人が多かったのです。そこで、高く売るためのサイトを作ろうと一念発起!
素人ながらに調べた知識をみんなで共有できたらと頑張っています。

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