家・マンションを売るときの査定から引き渡しまでの手順を知る

第10話は三軒家チーフがビル一棟まるごと売却するという最終回にふさわしいフィナーレとなりました。私はドラマを見ながら思ったのでした。「ビル一棟の売却だなんて…なんだか手続きが大変そう!」(笑)。以前、私が家を売ったときは準備不足なところもあり、必ずしも理想通りの売却とはいきませんでした。しっかり備えていれば困らずに済むことでも、勉強不足だった当時の私は慌ててしまうことがしばしばでした。
ここでは私が経験したことや調べたことをもとに不動産売却の流れをまとめてみたいと思います。自分の希望する売却価格や条件を少しでも変えないために、家を売ろうと決意した時から契約までの流れを把握して何事も早めに準備しましょう。

家・マンションの売却手続きをする前に考えておくこと

家・マンションを売ろうと決意した場合、不動産業者へ査定依頼をする前に、しっかりと準備をして足場を固めましょう。なにも難しいことをするわけではありません。自分がなぜ家を売りたいかという動機や、売却までのスケジュールをイメージトレーニングするような感じです。ここでしっかり準備ができているのとできていないのとでは、手続きに入ってからの苦労がぜんぜん違います。

売却する理由と状況を整理する

「家の売却理由」を明確にする

手続きの準備に入る前に、まずは「家を売りたい理由」をはっきりさせましょう。売りたい理由によって、売却のために想定する期間が変わってきます。たとえば、転勤や子どもの進学等で家を買い替える場合は、引越しするタイミングが決まっているため、早く売却も決めてしまわないといけません。しかし引越しをするタイミングが決まっていない場合は、時間にも若干の余裕があります。
実際、家の売却理由は人それぞれです。子供の独立、離婚、住宅ローンが支払えないなど、人によっていろいろありますが、まず自分が家を売る理由を整理してみましょう。
売却を依頼する際には不動産業者から、内見の際には購入希望者から「どうして家を売るんですか?」と聞かれますので、そのときに理由が説明できるように準備をしておきましょう。

住み替えの時期

家を売る理由が整理できたら、住み替えの場合は、いつまでに引越しをしたいかのスケジュールを確認しましょう。

手元に資金はどれくらいあるか

売ろうと思っている家に住宅ローンは残っているか、住宅ローンが残っている場合、残債はいくらになるか、その上で現在の資金状況を確認し、新居の資金にいくらまわせるかを考えてみましょう。住宅ローンの残債がある場合の家の売却については「住宅ローン残債のある家・マンションを損せず売却するために」を参考にしてください。

売却価格、時期、新居をイメージしておく

どのくらいの価格で売却するか

家を売りたい理由と経済的な状況が整理できれば、自分の家をいくらで売りたいかを考えてみましょう。売りたい価格を決めるには、不動産の相場を見ることが必要です。
不動産の販売相場を知るには、不動産情報サイトや不動産情報誌を参考に、住んでいるエリアの近くで似たような物件を探し金額を確認してみたり、インターネットの一括査定サイトを利用するなど、できるだけ多くの価格情報に触れて、価格の相場をつかみましょう。
簡単に価格相場を調べる方法を知りたい人は「家の価格相場が誰でも今スグ調べられる方法で家の高額売却を目指す」を参照してください。

売却スケジュールを考えてみる

購入希望者に家を引き渡す時期を考えましょう。その引き渡し時期から逆算して、売却にどれくらいの時間が使えるか、スケジュールを立てる必要があります。

新居は購入するのか? 賃貸にするのか?

家を売却してからどんな家に住むのかもイメージしないといけません。家を住み替えるために売却するという人は、売却と並行して新居探しをする必要があります。新居を購入する場合も賃貸の場合も準備が必要になりますので、売却の手続きの前に、新しい家をどうしたいのかもしっかり考えないといけません。

家・マンションを売却するための手順

家を売りたい理由や経済的状況、売った後の新居について十分にイメージができたら、家・マンション売却の手続きに入ります。下の図は売却の流れをまとめたチャートです。

第1段階
  • 不動産の価格相場を知り売却価格の目安を立てる
  • 複数の不動産業者へ査定依頼をする
  • 不動産の販売を依頼する不動産業者を決める
  • 不動産業者と媒介契約を結ぶ
第2段階
  • 売り出し価格を決定し販売スタート
  • 内見希望者を家へ迎える
  • 希望者からの買い付け申し込み
  • 条件や不動産の売買価格の交渉
  • 購入希望者へ物件情報を提示
第3段階
  • 購入希望者との売買契約
  • 売買契約が結ばれたら家からの引越し
  • 不動産の引き渡し手続きと決済

図で表しているように家・マンション売却の手順は、3つの段階に分けることができます。第1段階は「売却活動の準備から売主と不動産業者との契約」、第2段階は「売却活動スタートから買主との価格交渉」、そして最後の段階は「買主との売買契約から不動産の引き渡し」です。順を追って詳しく見ていきましょう。

第1段階 売却活動の準備から売主と不動産業者との契約

家・マンションの価格相場を知り売却価格の目安を立てる

売却すると決めたら、いくら程度で売れそうかの目安を立てます。まずは、売りたい物件の周辺相場をインターネットの不動産情報サイトや、不動産情報誌、不動産チラシなどで調べてみましょう。

複数の不動産業者へ査定依頼をする

自分が希望する価格や条件で売却するには、信頼できる不動産業者との出会いが大切です。まずは不動産業者の情報を幅広く集めましょう。不動産業者の情報を得るには、不動産一括査定サイトを利用するのが便利です。そこから査定額の高い業者をピックアップして、訪問査定を依頼します。物件の価値や価格については、なるべく多くの意見を聞いた方が良いので、訪問査定の依頼も複数の業者に依頼した方が良いです。不動産業者による家の査定については、「不動産売却査定の価格決定ポイント(家編)」「不動産売却査定の価格決定ポイント(マンション編)」を参照してください。

不動産の販売を依頼する不動産業者を決める

訪問査定をしてもらった業者の中から、査定額や担当者の雰囲気などを見て、「ここに家の売却を任せられるか」をポイントにして不動産業者を決めましょう。

不動産業者と媒介契約を結ぶ

家の売却を依頼したい不動産業者が決まれば、その業者と正式に媒介契約を結びます。主な媒介契約には3つの形態がありますが、自分の希望する売却方法などを踏まえて、どの契約を結ぶか決定します。媒介契約の形態とそれぞれの内容については「家が売れない原因を知って「売れる家」に変えていく方法」にまとめてありますので参考にしてください。

第2段階 売却活動スタートから買主との価格交渉

売り出し価格を決定し販売スタート

売り出し価格はその後の売却活動に大きく影響します。自分の希望売却価格で一方的に決めるのではなく、不動産業者による査定価格や周辺の物件の売却事例、市場の動向を踏まえて、担当者と相談しながら、物件の価値に見合った適正価格を付けるようにしましょう。
売り出し価格が決まれば販売がスタートします。

内見希望者を家へ迎える

不動産業者が出した広告などの情報を見て、物件への興味を持った人が現れると、内見希望の連絡が入ります。内見希望者は将来その家に住むかもしれない人なので、その人が家に対して悪い印象を持たないように、玄関や各部屋、トイレやお風呂場などの水回りをキレイに掃除しておきましょう。また荷物は少ない方が部屋を広く感じられますので、不要な家具などがある場合は、思い切って早めに処分することをおすすめします。家具・家電の処分に関しては「家・マンション売却時は家具も処分しないとダメ?」に詳しい情報がありますので、参考にしてください。

希望者からの買い付け申し込み

内見した希望者に購入の意思があれば、買い付け申し込みが届きます。

条件や不動産の売買価格の交渉

不動産業者をまじえて購入希望者と売却条件を交渉します。売却価格の条件は重要ですが、その他の条件についても、譲歩できる点と譲れない点を明確にして交渉を進めます。

購入希望者へ物件情報を開示

購入希望者と売買契約を結ぶ前に、物件に関する情報をできるだけ正確に購入希望者へ提供しましょう。特に、契約締結後のトラブルを防止するために、物件の不具合や欠陥がある場合には、誠実に購入希望者に伝えることが大切です。また不動産業者が仲介する場合は「重要事項説明」という制度に基づいて、購入希望者へ詳細な物件説明を行いますので、不動産会社の物件調査に協力しましょう。

第3段階 買主との売買契約から不動産の引き渡し

購入希望者との売買契約

売買条件が合意したら、買い主と売買契約を結びます。このとき、一般的には物件価格の10~20%程度の手付金(契約金)を売主が受け取ることになります。売買契約を結ぶに当たっては、しっかりと契約内容を確認しましょう。

売買契約が結ばれた家からの引越し

不動産を引き渡す時は原則として、売り主の家具や家電、荷物を残してはいけませんので、決済までには引越しを完了し、いつでも家を引き渡せる状態にしておきます。

不動産の引き渡し手続きと決済

引き渡し手続きでは、売買代金を受領するのと同時に、登記申請(抵当権抹消、所有権の移転など)を行います。細かな設備・備品等の取扱いについても、買い主と現地立ち会いを行った上で十分に確認をしましょう。また引き渡した後の税務申告などの手続きも忘れないように気をつけましょう。

家・マンションを売るときに必要な書類

家・マンションを売却する際にはたくさんの書類が必要になります。どんな書類が必要か確認してなるべく早めに準備するようにしましょう。いま住んでいる家に関する書類も必要になりますので、私はいざ書類が必要というときに「えっ! 今の家の売買契約書ってどこにしまってたっけ…?」となって半日家を探し回るというもったいない時間の使い方をしてしまいました。
書類が必要になるのは、不動産業者と売買契約を結ぶときと、物件の引き渡しをする売買決済時の2回です。事前に売却スケジュールを組むときは、売買契約と売買決済の日程もある程度決めておいて、それに間に合うように準備を進めましょう。

売買契約時に必要になる書類

以下の書類をもとにして、不動産業者が家を売るための資料や図面、広告を作成します。

登記簿謄本(登記事項証明書)

現在住んでいる土地・建物に関する情報が記載された不動産の登記簿謄本を取り寄せます。書類を取り寄せるには、住んでいるエリアの管轄法務局を調べる必要がありますので、まずは法務省法務局のHP「管轄のご案内」で確認してください。

取得先:法務省法務局
取得方法①:管轄法務局で取得
住んでいるエリアを管轄する法務局を訪れて、申請書に必要事項を記入します。登記簿謄本には、登記簿上の住所をしめす「地番」や「家屋番号」といったなじみのない言葉もありますが、わからない場合は法務局に備え付けのブルーマップで確認するか窓口で質問してください。申請書の提出前には必ず、法務局内の印紙売り場で登記印紙を購入し、申請書に貼ってください。

取得方法②:郵送で取得
管轄の法務局へ申請書、登記印紙、返信用切手を郵送します。登記印紙は郵便局でも購入できます。

家を購入したときの売買契約書

今住んでいる家・マンションを購入した時の売買契約書です。
※紛失している場合、再発行はされませんが問題なく売却できます

重要事項説明書

今住んでいる家を購入した時に取得する、家の契約条件などの重要事項が記載された書面です。
※紛失している場合、再発行はされませんが問題なく売却できます

売買決済時に必要となる書類

引き渡しの前に不動産業者が詳しい内容を教えてくれますが、決済時にどんな書類が必要になるかまとめます。

登記済権利証

「権利書」とも呼ばれる、物件の特定と登記に使用する書類です。この書類を物件の買い主に渡すことによって不動産の所有権を移転させます。
取得先:法務局
取得方法:家を購入したときに法務局から発行されますので、大事に保管しておいてください。紛失した場合は再発行ができません。登記済権利証を紛失した状態で不動産を売却するには司法書士に「本人確認情報」の作成を依頼しましょう。

固定資産税納付通知書および固定資産税評価証明書

固定資産税の納付額の確認のために必要な書類です。また登録免許税の算出の際にも必要になりますので、最新のものを準備してください。
※取得方法と取得先は今住んでいるエリアの市役所窓口で確認してください

実印、印鑑証明

売り主本人の確認書類です。売却する物件が親子や兄弟などの共有名義となっている場合は、共有者全員の確認書類が必要になります。

抵当権抹消書類

住宅ローンの返済が完了した際に、銀行から発行されます。

境界確定測量図

売却する土地がどの部分なのかを明確にするために必要な書類です。境界線があいまいな場合は購入後にトラブルとなる可能性があります。あらかじめ売却不動産の隣接地の土地所有者の了承を得て、測量図を作成してください。
取得先・取得方法:土地家屋調査士事務所に測量を依頼

考察(まとめ)

家の売却に必要な書類をまとめていると、自分が家の売却を準備をしているときのことを思い出しました。家を購入するときには、その物件の売買契約書や登記済権利書など、のちのち必要になる書類がたくさんありますし、なくしても再発行できないものもありますので、しっかり管理しておかないといけませんね。

プロフィール

こんにちは。
東京で独身時代を過ごし、現在は結婚して関西でマンションを購入。趣味は食べ歩きとマンガを読むことです。
※ちなみに、イラストの後ろはマンガで、決して札束ではありませんよ(^^)。
20代のとき、マンションを購入&売却しましたが、買うのはいいけど売るときは失敗だらけ…。意外と周りにも同じ失敗や体験をしている人が多かったのです。そこで、高く売るためのサイトを作ろうと一念発起!
素人ながらに調べた知識をみんなで共有できたらと頑張っています。

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「家売るオンナ」サンチー不動産同盟