第五話 独身女ふたりの家探し。庭野、遂に家を売る!?

庭野聖司の回想風振り返りでスタート。
平穏だったテーコー不動産の新宿営業所に三軒家チーフが異動してきてから、
空気が変わったと感じる庭野。
しかも、三軒家と一緒にいると動悸がするようになったため、ストレスか…それとも…と思う。

屋代は白洲の営業成績ゼロの連続記録のため同期に次々と追い抜かれ、
次の異動では僻地に飛ばされるかもしれないと悩む。
三軒家は、白洲を鍛えるよう布施に依頼され、口出ししないと約束してくれるならと承諾。
築30年モルタル木造アパートに高級マンションのチラシをポスティングするよう指示。
マンションの売り文句を白洲のスマホに吹き込み、GOと走らせた。
しかし数枚ポスティングした後、またチラシを捨てカフェでサボるのだった。

白洲の配ったチラシを見て訪れた地味な独身OL草壁歩子(山田真歩)を三軒家が対応する。
出版社の校閲部で働く草壁は、文字がたくさんなのにまったく誤字がなかったことから
「このチラシ、完璧です。グッときました」と褒め、このマンションを購入しようと決意したという。

一方庭野は、フリージャーナリストの独身女性・日向詩文(ともさかりえ)を担当する。
政治家の汚職を暴き、フットワーク良く働くために都心で駅に近いマンションを探していた。

三軒家のお客も庭野のお客も独身未婚女性。業界では「女単」と呼ばれている。
布施や室田がなんでわざわざ「女単」でマンションを買うのか…と不思議がるなか、
三軒家は「独身の女性を結婚に向かう中途半端な存在と扱うのは失礼です。
女単であろうと誰であろうと、家を買える人に売るのは当然です。
認識を改めるべきです」と強く宣言した。

庭野は日向と数件の内見を行うも、暗い、遠い、街がダサいなどまったく気に入ってもらえない。
困った挙句、三軒家が草壁に紹介した物件を日向に案内。
一目見て気に入った日向は「ここ気に入った。すぐサインするわ」と伝える。
しかし書類をもっておらず、会社まで同行してもらうとすでにサインをした草壁と遭遇。
日向は「申込書に法的拘束力はない」だから私に譲りなさいと伝えるが、
三軒家は「順番は順番です」と受け付けない。

困り果てる庭野に、三軒家は「お客様があのマンションにこだわるなら、やることは一つ」と伝える。
その意味を理解した庭野は白州を伴いマンションに向かい、
入り口でマンションの住民に声を掛け売る気がないか尋ねて回る。
また、白洲にはインターホンで一件ずつ聞いてほしいとお願いする。
そのうち白洲は「トイレが詰まったから何とかして」と208号室の老女に部屋に引き込まれる。
最初は何とかしようとするものの嫌気がさした白洲は、
マンションの入り口にいた庭野に「208号室。脈ありだから早く行く!」とウソをつき交代。
トイレのつまりや電球の交換などを手伝ううち、住み替えを考えていると話を聞く。
「ここ、自分に売らせてください」と頼み、空き部屋を確保することに成功した。

庭野は日向に「空きが出ました。2階ですが同じ間取りです!」と報告する。
しかし日向は、草壁が自分より上に住むことに納得しない。
そして三軒家に相談もせず草壁に会いに行き、
いま契約中の708号室ではなく、208号室はどうかと提案。
2階なら価格が500万円安いこと、その価値を草壁ならわかってくれるはずなのでと交渉し、
草壁は変更を了承した。

庭野は三軒家に「草壁様に、208号室を売りました」と報告。
しかも708号室もそのまま自分が日向に売ると宣言する。
「私のお客を横取りした」と驚く三軒家。
何が起こったと問いただす屋代に「庭野が売りました。私を出し抜いて売りました」と伝える。
事務所を出てアポイントに向かう三軒家に、黙って勝手な行動をしてすみませんと謝る庭野。
どうしても勝ちたかったと伝える。
三軒家は「家を売って謝るとは何事だ!本契約まで気を抜くな」と檄を飛ばす。

いざ、草壁と契約をしようとする庭野。
しかし、貯金がゼロになるのが不安で…と購入を断る。
日向も35年支払い続けるのはキツイ、やっぱり辞めると伝えられ、屋上で途方に暮れる。
そんな庭野に対し「二枚目気取ってんじゃねぇ!」と草壁のもとへ一緒に連れていく。

草壁の職場に訪れた三軒家と庭野。
アリとキリギリスの話をご存じですか?と問い
「あなたはアリとキリギリスのアリなんです。校閲の仕事を10年続け、貯金しました。
校閲の仕事も、アリの仕事そのものです。スポットのあたる作者の陰で、
書籍の質を保つ勤勉さには頭が下がります。」と高らかにスピーチ。
「今こそ家を買いましょう」と草壁に言う庭野には「余計なこと言うな!」と一喝。
自身は家を買って欲しいなどは伝えず、その場を去った。
後に残された草壁は同僚から家を買うの?との質問に、買うと答えるのだった。

さらに、二人は日向のもとへ。
再びアリとキリギリスの話をするも、今度はヨーロッパではキリギリスはコオロギだと伝える。
「食べるものもなく力尽きそうなコオロギに、アリは歌なんて歌っていたからだと嘲笑います。
しかし、コオロギは食料を貯め込むだけで人生を謳歌していると言えるのか、
歌うべき歌を歌っていたのかと言います。そうです、日向様はコオロギです。
人生を謳歌し、ローンという負担を背負い、今まで以上に仕事を頑張る。
苦しくなったら売ればいいんです」と伝える。
苦しくなったら売ればいい…その言葉にまた心を動かされ、日向も購入を決める。

それからしばらくして、庭野はマンション購入のお礼に日向の部屋を訪れる。
すると、なんと婚約者と一緒に暮らし幸せいっぱいの生活を始めていた。
同じく草壁の部屋では、壁いっぱいにアニメのキャラクターが描かれ趣味を満喫していた。

会社に戻った庭野は、同じタイミングで退社する三軒家と一緒に帰る途中で雨宿りをする。
すると「雨をしのぐ屋根があり、風をしのぐ壁がある。それは素晴らしいことよ」とポツリと話し出す。
そこで庭野は前回、三軒家がホームレスだったと話していたことに関して問う。
三軒家は「両親は高校2年の時に事故で他界し、莫大な借金が残った。」と話し出す。
家も失い、引き取ってくれる大人もなく、公園で2週間過ごした。
梅雨の時期で雨に濡れ、肺炎を起こして保護され、施設に入ることになったという。
しかしその施設もすぐに飛び出し、ようやく借金を支払い終わったのだと伝えた。
両親が亡くなってから、ずっと1人なんですか?と問う庭野……。

第五話終了。